月光社

Gekkosha

月光社はつじとしゆきを代表とする人形制作集団

1996 活動開始
2000 INFA2000(ドイツ・ハノーバー)
2004 球体関節人形展(東京都現代美術館)
2006 文化庁メディア芸術祭エンターティメント部門賞受賞
2015 ART DOLL EXPO(上海)
2016 ART OF DOLL(モスクワ)

ビスクドールから現在はテラコッタ作品を中心に制作

作品を通じた「果実」というモチーフは西洋社会において肉欲、肉体の象徴です。ギリシャ時代からの肉体賛美はキリスト教の霊性を重んじる立場から生の甘美さと裏腹に腐敗という暗喩へと結びつき、はかなさの象徴でもあります。
「林檎の味」という作品において表された少女たちは聖書におけるイヴのメタファーとして作品化されています。個々の作品は、林檎(知恵の実)に対する好奇心、食べた瞬間の甘美、欲望への執着、原罪の受容というシーンを少女たちの姿態をもって表現しています。
対して「林檎たちのピエタ」は赤貧の中ひたすらに林檎というモチーフに向かい続けた画家セザンヌの作品に根拠を置いています。腐敗という宿命を負った林檎の中に不変の霊性を見出した画家のビジョンが作品「告げ鳥」を通じて時空間を超えて聖母マリアに届き、幼子イエスに待ち受ける残酷な運命を嘆くマリアに不変の霊性の存在を知らせる瞬間として表現しています。(人形の布や配置された林檎や色は実在するセザンヌの絵に則っています。)
「果物」というありふれたものに込められた様々なメタファーを人形の姿態、形態を通じて表現してみました。

月光社の使用するテラコッタは通常の粘土細工のように乾燥後の加工(切削、研磨、盛り上げ)が一切できないという特徴があります。
それ故造形は乾燥までの短い時間に行わなければならず高い直感的な造形力、集中力が要求されます。制作はあたかも書道のような一気呵成の勢いの中行われ、短時間であるが故粘土の持つ質感、量感、造形時の手のムーブメントを感じることができます。

告げ鳥
林檎たちのピエタ
林檎の味

展示画像

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